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2040年導入予定。次世代型路面電車「LRT」について、那覇市の不動産屋が徹底解説!

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めんそーれ!2024年3月28日、那覇市の知念覚市長は定例記者会見で、次世代型路面電車(LRT)の導入に向けた整備計画の素案を発表しました。那覇市では、5月に募ったパブリックコメントを精査し関係機関との協議を踏まえ、2040年度にLRTの開業を目指しています。

車社会の沖縄では、慢性的な交通渋滞が問題となっています。特に那覇市内は、朝・夕の時間帯はどこも車が多く、渋滞にはまってしまうと歩いた方がはやい場合があるほどです。

今回のコラムは、那覇市内の交通渋滞の解消が期待されるLRTついて見ていきたいと思います。それでは、早速本編に参りましょう!

次世代型路面電車(LRT)ってなに?

 LRTとは、Light Rail Transitの略称で、車両の床が低く乗り降りがしやすく、定時・定速・快適性などの面で優れた特徴を持つ次世代型交通システムのことです。近年、道路交通を補完し、人と環境にやさしい公共交通として再評価されています。

今までの路面電車は平均10km程度ですが、LRTは運転最高速度40km/hで3倍ほど速く走ります。LRTは、路面電車の乗りやすさや手軽さ、建設費の安さなど良いところを残したまま、スピードを少し速くしたり、バリアフリーにしたりと、まさに次世代の路面電車になります。工事についても地下鉄より簡単で早く完成できるというメリットがあります。

日本国内では、富山ライトレール(富山県富山市)が初めてのLRTとして導入され、最近では、栃木県宇都宮市に宇都宮ライトレール(通称:ライトライン)が導入されました。通常LRTは路線があった場所を引き継いで導入されますが、宇都宮ライトレールは、新規に軌道(レール) と呼ばれる専用の空間を建設し、LRTが導入された日本初の事例となり、話題になりました。那覇市内にLRTが導入される場合も、自動車の通行帯を減らして新規でLRTの軌道(レール)を建設する予定となっています。

次世代型路面電車(LRT)導入のメリット。

次に、LRTを導入することによるメリットを見ていきましょう。

①時間に正確

LRTは軌道(レール) を走るため、悪天候や他の交通手段による渋滞の影響を受けにくく、時間に正確な運行が可能です。

公共交通を利用することで、渋滞を減らすことができますが、那覇市の路線バスは渋滞などの影響で時刻表通りに来ないことがあります。バスが渋滞でも関係なく走行できる「バスレーン」もありますが、一部区間だけであり規制時間も朝・夕の時間だけなので、遅延は当たり前になっているのが現状です。一方で、LRTは自動車が進入できない専用の軌道(レール)を走行するため渋滞に巻き込まれる心配がありません。

②スムーズに乗り降りできる

LRTは停留場と車両の間に段差がないので、高齢者や車いすの方、ベビーカーでもスムーズに乗り降りすることができます。

一般的に路面電車の停留場の高さは30cm程でかなり低くなっています。旧来の路面電車は台車や床下機器の搭載スペースを確保する関係上、バスの床が高くなって停留場との大きな段差が生じてしまいました。そこでLRTは、台車や機器配置の工夫によって、車両の通路部分の床を停留場の高さに合わせて30cm程度に低くし、バリアフリー化を図りました。

③環境にやさしい

LRTは電気で走行するので他の交通に比べ、二酸化炭素の排出量が少なく、空気を汚さず地球環境にやさしい乗り物です。また、騒音も少なく周辺環境にもやさしい乗り物です。

国立環境研究所の研究によれば、運輸部門のCO2排出量は日本国全体の約2割を占め、うち9割が自動車から排出されています。那覇市は今回の素案で、中心市街地、真和志地域、新都心地域の3つの拠点を結ぶ基幹的公共交通としてLRTを位置付けています。バスやモノレールなどの既存公共交通と連携することで、公共交通の利便性が向上し、自家用車への依存が減少します。結果として、自動車によるCO₂排出の低減が期待できます。

国立環境研究所:身近な交通の見直しによる環境改善に関する研究(特別研究) 平成17〜19年度

次世代型路面電車(LRT)は那覇市のどこを走るの?

LRTの導入ルートは、那覇市域内に東西ルート(本線)とその支線、南北ルートの合計3線を計画しています。また周辺地域の状況に合わせて、停留場を約500m間隔で設置する予定です。 車両基地は、立体都市公園制度を活用し、松山公園の地下に整備する予定です。

立体都市公園制度:平成16年に都市公園法を改正し創設された制度で、様々な都市課題を解決するため、都市公園の地下を多目的に利用したり、建築物の屋上や人工地盤上に公園を設置したりすることを可能にした制度。

 

那覇市:那覇市LRT整備計画素案

なぜ真和志地域にLRTを導入するのか

那覇市は 「モノレールが、本市を南北に結ぶ基幹的公共交通の軸を担っている一方 で、東西方向においては、中心市街地と真和志地域を結ぶ新たな基幹的公共交通の軸が必要」と考えています。真和志地域は戦後、道路などの基盤が整わないまま市街化が進み、起伏に富んだ地形もあり、公共交通の不便な地域もあります。 そういった公共交通不便地域の解消を図り、誰もが移動しやすいまちを実現するため、東西ルート本線および支線を先行整備予定となっています。

次世代型路面電車(LRT)はどれくらいの頻度で走るの?

那覇市:那覇市LRT整備計画素案

本線は、7時~9時と17時~19時の通勤通学のピーク時には6分に1本、オフピーク時には10分に1本の運行本数となります。また深夜早朝時には15分に1本の運行本数になる予定です。

支線は、7時~22時までは20分に1本、深夜早朝時は30分に1本の運行本数の予定です。

停留所や詳しいダイヤについては未定ですが、宇都宮ライトレールは開業後、ピーク時に増便したり、各駅停車だけでなく快速運行も実施されたりとダイヤの改正が行われました。那覇市のLRTも開業後の利用状況に合わせて、利便性が向上して行くことが期待されます。

また、利用者数については東西ルートと南北ルート、支線を合わせて1日あたり約2万1900人になると試算されています。

次世代型路面電車(LRT)開業に向けた疑問点

ここまでは、LRTのメリットを見ていきましたが、LRT開業にあたって浮かぶ疑問点や懸念点をまとめました。

①車線を減らして軌道(レール)を作るので逆に渋滞するのではないか?

LRTは4車線道路の幅員の大きい道路に導入することを想定しています。中央敷設を想定しており、中央2車線を活用して整備する予定なので、自動車の通行帯が4車線から2車線に減少します。そこで車線を減らすことでさらに渋滞してしまうのではないか、という懸念があります。

これについて那覇市は「LRT導入に合わせて車から公共交通の利用に転換を図る施策を行い、市域内に流入する車の総量を減らすよう取り組んでいく。」としています。

昨年8月に開業した宇都宮ライトレールは車線を減らして軌道(レール)を敷きましたが、導入後の行政や専門家などが話し合う協議会で、「LRTの利用が順調に進み、道路の混雑が緩和している」と報告されました。

那覇市:那覇市LRT整備計画素案

②建設費はいくらなのか?

概算の建設費は3路線で計約480億円と試算されており、このうち約270億円は国費を充てる想定となっています。国土交通省は2005年からLRTの整備を推進する事業を支援するために「LRTプロジェクト」を創設し、LRTの整備費を国費で補助しています。

過去の例を見ると宇都宮ライトレールは、建設費が当初予定していた約458億円から約684億円へと変更となりました。那覇市も今後関係機関協議等により変更が生じる可能性があります。

③収支は黒字になるのか?

那覇市の試算によると、東西ルートおよび南北ルート整備時のいずれの場合も単年度収支は黒字となることが見込まれています。

宇都宮ライトレールは導入から約7カ月間で運賃収入など鉄道事業の売り上げが7億3900万円となり、最終的なもうけを示す純損益は5700万円の黒字になりました。これは開業前の収支計画の約3倍の数字です。また、累計利用者数も2カ月早いペースで推移しており、初年度からかなり好調なことが分かります。

④那覇市民は、LRTを活用し車社会から脱却することができるのか?

那覇市にはバスとモノレールの二つ公共交通しかなく、住民も観光客もこれらを有効に活用していません。そして慣れた車社会から脱却するのは難しいのではないか、という懸念があります。したがって、新たな公共交通LRTについて市民の理解を得ることで、LRTの需要を喚起する必要があります。

宇都宮ライトレールの導入効果は、芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会によると、「車の交通量は1割減り、バス利用者は増加した」ということです。一方で、バスなどの公共交通からLRTへ乗り継ぎをする人が少ないという課題が上がっています。バスからLRTに乗り継ぐと待ち時間が発生し、車の方が便利という現状です。車の総量を減らすためには、LRTの開業に合わせてLRT以外の公共交通も整えていく必要があります。

次世代型路面電車(LRT)のまとめ

那覇市は「まちなかに入る自動車量を減らしながら公共交通をさらに便利にすることで“人を中心としたまち”“誰もが移動しやすいまち”をつくる必要がある」と考えています。

沖縄のバスやタクシーなどの公共交通は、運転手の高齢化や人手不足、利用客数の減少等から、最終便の繰り上げや減便が行われており、公共交通の衰退が懸念されています。このまま公共交通が衰退していくと、高齢者などの交通弱者は移動の制約によって日常生活が不便となり、生活の質が低下してしまいます。つまり、「誰もが移動しやすいまち」をつくるため、車依存社会がら脱却する必要があります。

LRTの導入により、渋滞の緩和はもちろん、車を持たない高齢者や子供たちなどが住みやすいまちになることが期待されます。那覇市は2026年度末までに正式版の策定を目指しています。今後の協議の行方にも注目していきたいと思います。

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