(※画像はスーパーソルではありません)
はいさーい!
那覇市にある不動産会社、(株)アイエーコラム担当のカンです!
本日沖縄には台風6号が到来し、なんと中心付近の最大風速は35メートル/最大瞬間風速は50メートルというとてつもない災害に見舞われています。公共交通機関への影響も大きく、海と海の便はほぼ欠航しているとのことです。未だに本島中南部で暴風警報が続き、沖縄全域で波浪警報が出ているそうなのでしばらくは安全に気を付けていきたいところですね。室内でも台風中はガラスの破片が飛び散ったりすることもあるので、皆様もお気を付けください。
ところでガラスといえば、皆様は「スーパーソル」という素材をご存じでしょうか?今回は廃ガラスをリサイクルしてできた沖縄発祥の資材スーパーソルについて解説していきます。
廃ガラスのリサイクルについて
皆様は廃ガラスのリサイクル事情をご存じでしょうか?現在国内では年間約100万トンものガラス瓶が生産されており、その約7割はリサイクル資源として回収されています(ガラスびん3R促進協議会調べ2019)。
一方で、「色付きのガラスの選別と再利用」はリサイクルの課題として残っています。特に最近はガラスびん用途のリサイクルに適さない「その他の色びん」の生産割合が上昇したことにより、ガラス瓶のリサイクル率(ガラスびん用途向け)は2015 年の 57.2%から、2019 年の 54.6%へと低下しました。
そこで、今注目を浴びているのがスーパーソルという新たな資材です。本来ガラスへのリサイクルに適しているのは茶色や透明のガラスだけですが、スーパーソルに関しては色付きガラスの選別をする必要がなく、青や緑の廃ガラスを用いてリサイクルが可能なのです(石英ガラス、耐火ガラスなどはリサイクル不可)。
スーパーソルとは?
スーパーソルとは原料の96%が廃ガラスである人口の軽石です。「次世代素材」としての呼び声も高く、現状のガラス素材として最も普及しているソーダライムガラスを再利用することができるため、ガラスごみ問題改善のきっかけとして期待されています。
初めてスーパーソルの生産を行った株式会社トリムは、居酒屋経営で排出された酒瓶の量に驚き活用を検討したことがきっかけでスーパーソルの開発を始めました。沖縄県で事業をスタートした当社は、『捨てればごみ活かせば資源』をモットーとして廃ガラスのリサイクル事業を行っており、事業協同組合への加盟社は全国で13社(+台湾で1社)に広がりました。現在、スーパーソルは公共建設の土木工事から一般家庭の庭先まで様々な目的に応じた使用がなされています。
★沖縄のガラス産業についてのコラムはこちら
関連コラム:沖縄伝統工芸品「琉球ガラス」の魅力を解説!
スーパーソルの強みとは?
スーパーソルが持つ特徴や長所とは何なのでしょうか?
①透水性と保水性の調整可!
製造時に添加剤の配合を変えることによって、自由に気泡や吸水率の調節をコントロールできることが特徴の一つです。
また天然の軽石と同様に排水性や通気性も確保できるため、植物の生育を補助することもできます。濡れても泥濘化しないので安心して利用できる素材です。
②多孔質で軽量!施工も簡単!
通常の土壌と比較しておよそ13~20%ほどの重量(3~4kN/m3)しかないため、取り扱いが容易です。施工性や強度も高く、歪な地形や埋設管があっても問題なく工事できます。盛り土としての利用もできます。
③耐火性や断熱性がある!
熱や油、薬品にも強く、幅広い分野の建材としての有効活用が期待できます。科学的に安定した構造となっているため、腐食や変質も起こりにくいとされています。
④環境への配慮◎
ガラスが原料なので、後から有害物質が溶け出る心配もありません。製造段階で約900℃の高熱焼成を行っているため、無菌状態のクリーンな素材であることも一つの強みです。また改修工事では残土処理と同じ扱いになるため、砕石のような環境破壊がなく処分時にダイオキシンや二酸化炭素が発生しません。「土」から「土」へと還すことができる「土壌還元型資材」であるため、環境にやさしい処分ができます。
スーパーソルの環境保全への貢献は日本で広く認められており、現状では沖縄県を含む8県でリサイクル認定制度を受けています。
Topic! スーパーソルの価格は?
スーパーソルにはL1~L4までの規格が存在し、それぞれ吸水率や比重に違いがあります。それぞれの規格で値段に差があるため一概に価格を出すことはできませんが、例えば農業資材として使われるスーパーソルL1の価格は18,000円/m3~29,000円/m3(地域や数量などによっても価格は変動)ほどになっています。ガラス発泡軽量資材・盛土材として使われるスーパーソルL2の価格であれば18,000円/m3が設計単価となっています(ガラス発泡資材事業協同組合参照の事例)。詳しい使い道が決まり次第、販売元のカタログなどを取り寄せることをお勧めします。
なお一部ホームセンターなどで店舗販売をしていることもあるそうです。
スーパーソルの活用
前述のとおり、スーパーソルは様々な長所をもった建材としてその活躍の幅を広げています。代表的な利用として以下の5つが挙げられています。
①土木
スーパーソルは軽くて水はけがよく、耐震性や土圧軽減、地盤沈下対策としての評価が高いです。例えば地盤の緩い土地の盛り土に使われる理由は、通常の土壌より地盤沈下を抑えることができる上、軽度の締固めで十分な強度を誇るからです。運動場やテニス場の排水地盤材としても利用されており、土との親和性が高いスーパーソルのおかげで排水パイプをつながなくても設計ができるようになることがあります。
②緑化
保水性、通気性、排水性などの性質に優れているため、土壌の長期的な改善に期待できます。袋の中にスーパーソルを詰め込み酸素間の役割を持たせたり、土と混合して公園の土壌強度を補強するなどの採用事例があります。また軽い素材に加工できるため、屋上緑化の下地土壌に用いる場合には建物にかかる負担を軽減できます。
③農業
製造過程で保水や浸水の度合いを調整することが可能なので、作物に適した土壌づくりを手助けすることができます。天然の軽石と比較しても粉塵化しにくいといったメリットもあるため、さらなる農業への導入が期待されます。例えばスーパーソルをジャガイモや玉ねぎ栽培に用いることで、やわらかくて水はけのよい土壌を保つことができるそうです。またスーパーソルはアルカリ性の素材であるため、酸性土壌を改善する役割も担います。イチゴなど高設栽培を行うときにも、スーパーソルの軽さが役に立ちます。
④浄化
無数の穴が開いているスーパーソルは微生物の働きを強め、水質を浄化する役割を持つとされています。よって汚水浄化や家畜糞尿浄化資材としての活用が将来的に期待されています。現状としては雨水貯留システムなどに用いられ、設の庭で水を腐らせず災害時の⽔源確保ができるような装置が生み出されています。
⑤建設
スーパーソルの断熱性や礫の小ささは建設の資材としても役に立ちます。具体的には、厨房やプラットフォームのかさ上げや、断熱ブロックの骨材として用いられています。
★面白い活用例:大理石の作るために寒水石という素材を用いますが、これの代わりにスーパーソルのもととなるガラスの素材を混ぜ込むことで、安価に人口大理石を作ることができます。
もちろんこの他にも防犯用の砂利や臭気軽減のための微生物脱臭資材などとしての使い道もあり、これからも身近に使われる素材として商品開発されることが期待されています。2020年8月には、スーパーソルを用いた商品デザインの一般公募が行われたりもしています。
沖縄とスーパーソルの関係は?
沖縄発祥の素材であるがゆえに、スーパーソルは九州や沖縄での施工事例が特に多いです。身近なところで言うと、
・名護城公園せせらぎ広場の人道橋整備
・健寿の森の屋上緑化
・名護漁港岸壁改良工事 などにスーパーソルが使用されています。
ちなみに開発元の株式会社トリムは、平成13年に那覇市から「那覇市ごみ減量推進事業所表彰」感謝状を授与しています。
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今回は「スーパーソル」に関してのコラムを執筆しましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
スーパーソルはガラスのリサイクル製品ながらも安全で使いやすい素材へと加工ができるということで、その高い付加価値が注目されています。近年はSDGsの重要性が強調されることなども多くなっていますので、これからも環境や持続的な街づくりに目を向けた取り組みに着目していきたいものですね。
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